コールセンター

2011年12月10日 (土)

山本志のぶ「木の葉」ブログ
コールセンター応援歌
第72回  アウトバウンドへの取り組み⑥
電話をかける際の心がまえ

以前、ホスピタリティシリーズで、スカンジナビア航空ヤン・カールソンによる経営革新のポイントとして〝真実の瞬間(15秒)〟について触れましたが、この発想は、どうやら営業マンの電話術にも共通じるようです。以下に、電話における秒単位、分単位の記述を集めましたので、電話をかける際の心がまえの一環としてご覧いただければと思います。

電話営業で初めの15秒は〝真実の瞬間〟 そして3分以内の終話を心がける
目指す相手が電話を取ってから15秒以内に「自分はだれか」「なぜ電話をかけているか」を分かってもらう。
この15秒間で、商談が成功するかどうかが決まるといってよい。
できるだけ簡潔(できれば3分以内)に終える。それで済まない話は、FAX→手紙→訪問の手順で考える(※1)

●FAXの話が出てまいりましたので、ここで注釈です。
もしも、電話を切られそうになったら・・・
「資料だけでも送らせてください。電話とFAX番号は同じですか?」と必ず聞く。10中2人や3人は必ず教えてくれるそうです。(※2)
これだけの確率があったら、ダメもとでトライしてみる価値がありますね。

●BtoBでは、かけている電話を〝重要な案件〟と思ってもらえるかどうかが、成否の分かれ目になります。相手に〝重要な案件〟の印象を与えるためには
①「御社の×××の件で・・・・・」と目的を具体的に相手側に伝える
②低い声で話す
③ゆっくり話す
④権威を示唆する
⑤「本日は大変重要なお話で・・・・・」と愚直に告げる
以上がポイントになります(※3)。次に紹介するのはこのポイントの①と⑤を的確に押さえたトーク例です。

10秒(かな文字で60字前後)で何を言うかが重要だとも・・・
トーク例:「お世話になります。○○社の田中と申します。△△様に現在ご利用いただいている××(サービス名)のサポート業務について重要なお知らせがございます。30秒ほどで説明が終わりますが、よろしいでしょうか?」
このトークには、お客が耳を傾けたくなる3つのキーワード含まれています。
①「現在ご利用いただいている××(サービス名)」:自分に関係があること
②「重要なお知らせ」:聞き逃してはならないニュースがある
③「30秒ほどで説明が終わります」:時間をとられることがない
このように、最初のトークを徹底的に練り上げることが重要なのです。(※4)

●このトーク例は、かな文字で85字前後(会社名、個人名、製品名などで文字数の変化あり)です。普通に話す速さですと10秒で60かな文字ですので、このケースでは15秒くらいになり、冒頭の〝真実の瞬間(15秒)〟にも合致しています。
なお、名著『ステーキを売るな! シズルを売れ!』の著者E・ホイラーは、広告コピーの最初の10語(日本語では15~20語に相当)は、それに続く1万語より重要であるといっています。トークの作成に際しては、この指摘を忘れないようにしたいですね。

●参考までに記しますと、『ステーキを売るな! シズルを売れ!』の意味するところは、縁日の屋台で、パタパタとウチワで匂いを撒き散らせながら商売をする、焼き鳥屋さんや、街中のうなぎ屋さん方式が、最も商品の魅力を引き出す商法だと教えてくれている本のようです。74年も前に出版されたそうですが、食に関する感性は、時代は移っても、何ら変わるところがないように思えます。

役員へは最初の25秒のトークが勝負 組み立ても通常とは異なる
これまで書いてきたのは、一般的なアプローチ例ですが、これが決定権を持つ社長や役員に対してだとニュアンスが変わってきます。この場合は、通常とは逆で、絶対に電話で具体的なヒアリングから仕掛けてはいけないようです。「25秒で」電話の趣旨を相手に理解してもらうことがポイントになります。
「25秒」後に相手から反応がなければ、それは主旨が伝わっていないので、フレーズをもう一度練り直す必要があります。伝わった場合は、相手から質問が他社導入事例となる場合が多いようです。(※3)

●役員や社長に対してのこのケースは、ITベンチャーの経営者が、たまたまエレベーターで遭遇した投資ファンドの運営者に30秒以内で自身のビジネスについて語れなくては成功はおぼつかないとの「エレベーターピッチ」の例に似ていますね。

※1:『一本の電話で売り上げを伸ばす法』(石井孝尚著/中経出版)
※2:『10秒で決める テレアポ&電話営業術』(浅野哲著/フォレスト出版)
※3:『法人営業バイブル』(大塚寿&井坂智博共著/PHP研究所)
※4:『ダントツに売る アポ取りの達人 【実践編】』(濱田昇著/ぱる出版)

■本ブログ内容とは別に、お問い合わせ・ご質問等ございましたら、【プロフィール】(画面左顔写真下)の〈メール送信〉からお願いいたします。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年12月 3日 (土)

山本志のぶ「木の葉」ブログ
コールセンター応援歌
第71回  アウトバウンドへの取り組み⑤
電話をかけるタイミング BtoB編 

BtoBのターゲットは、ご担当者(管理職に対象を絞っている場合も)、部門責任者、担当取締役、そして中堅企業以下の場合は、直接社長につないでもらうこともあるでしょう。それぞれの立場、部署によってつながるタイミングは異なります。前回のBtoC同様、プロの見解を何通りか紹介し、実践で役立てていただければと思います。最初は、人間の心理に関するアメリカの研究です。

時間帯と説得効果の研究から、「説得するなら、お昼から夕方くらいまでに」 
1977年、アメリカのある科学雑誌にユニークな論文が発表されました。心理学者スコルニックのデータによると、まったく同じ依頼をするのでも、時間帯によって承諾率に差が見られたそうです。大まかな傾向としては、「午前中の早い時間、および夜の説得は難しく、説得が一番うまくいく時間帯は、お昼から夕方位までである」と。これによると2時~4時位までが、何かを頼むのに絶好の時間帯なのだそうです。(※1)

会社の部課長以上への電話セールスは〝正午から午後5時半〟が狙い目!(※2)
午前8時30分~9時30分:社内の打ち合わせや会議で忙しい時間帯。この時間は本人に電話をかけるというよりも秘書や社内の連絡者に、伝言を依頼しておくというのに理想的な時間帯。こちらの要件が相手に早く伝えられる可能性が高い。
正午~1時:昼食の時間帯で、外出していることが多い。私用はこの時間帯なので電話での会話がスムースに進むことが多い。

午後1時半~3時:最も活動的になり、電話も多いが、要件を進んで処理しようという意欲に燃えており、仕事の電話も積極的に応じようとする時間帯で、効果的。
午後4時~5時半:仕事がマンネリになったり、疲労がたまっているとき。仕事のテンポを変えたいとか、リラックスしたいという気持ちが高まっている。気分を変える意味での電話の会話は、時には社交的なコーヒー・ブレークを意味することもある。約束を取り決めたり、訪問の打ち合わせをしたりするのにも効果的な時間帯。

●上記2例は出典が異なり、ビジネスの現場も日米と分かれますが、いずれも狙い目の時間帯が〝正午から5時まで〟と一緒でした。ここまで符合すると、信じられる気がしてきますね。さて、次はターゲットごとのゴールデンタイムを見てみることにいたしましょう。こちらも、多彩な職種について触れてくれていますので、大いに参考になるのではないでしょうか。

ゴールデンタイムはターゲットによってこんなに違う(※3)
社長や役職者の場合:月曜日の朝は在社している確率が高い。朝早く出社しているので9時前はゴールデンタイム。その代わり日中は不在が多いので、デットタイム。
営業職:朝に準備して、日中は得意先周り、夕方から夜に会社に戻る。朝の2時間と夕方の2時間がゴールデンタイム。日中はデットタイム。
総務・人事:午前中は忙しい。お昼の休憩時間に電話すると嫌がる人が多いので要注意。ゴールデンタイムはお昼からの日中。
秘書:午前中はスケジュール調整業務のため、昼過ぎ辺りが狙い目。
建設業:午前中早い時間と夕方がゴールデンタイム(社長も現場に出ていることが多い)。日中は事務員中心なのでデットタイム。
飲食業:午前中の早い時間と14時からの2時間がゴールデンタイム。

●最近はテレマーケティングに関する出版が少なく、寂しい思いをしておりましたが、久しぶりに『テレアポの鉄則! 売り上げを3倍以上にする営業電話術(2011年5月刊:※4)』という良い本に出会いました。電話営業をなさる方やコールセンターでアウトバウンドをなさる方にはお勧めです。その中から、一部を紹介して、BtoC・BtoBと続いた電話をかけるタイミング編を終わります。

〝曜日のツボ〟を押さえたアプローチ例 人が避けるタイミングこそ狙い目!
「月曜日は「週明けで忙しいだろう」と、多くの人が月曜日に電話するのを避けたがる。指導する側もそのように言う人を見かけるが、私の経験では、月曜日の朝イチは、意外にもアポイントや契約がよく取れていた。理由は2つ。
まず他の営業マンが電話を避けたがるので、逆に穴場であること。そして月曜日の午前中はやる気満々モードの人が多く、決断も早い。つまり、相手のやる気に便乗できれば、即断即決でアポイントや契約が取れてしまう。」

〝時間帯のツボ〟を押さえたアプローチ例 人間の脳の働きに着目!
「午前中以外のテレアポチャンスタイムは午後12時半から午後1時半までの1時間。
人間は目覚めてから6時間後くらいが、最も脳が働きます。つまり、朝6時半から7時半に起きる人が6時間後を迎える時間帯ということ。この『頭の回転がいいとき』と『午後の仕事に向かって気の入っているとき』という2つのタイミングが重なる午後1時くらいが、テレアポ営業の絶好の勝負タイムといえる。」

※1:『「説得上手」の科学』(内藤誼人著/日本経済新聞社)
※2:『電話と手紙の心理学』(浅野八郎著/日本実業出版)
※3:『電話嫌いな人ほど成功するテレアポ』(尾島弘一著/現代書林)
※4:『テレアポの鉄則!』(北原千園実著/アスペクト)

■本ブログ内容とは別に、お問い合わせ・ご質問等ございましたら、【プロフィール】(画面左顔写真下)の〈メール送信〉からお願いいたします。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年11月19日 (土)

山本志のぶ「木の葉」ブログ
コールセンター応援歌
第69回  アウトバウンドへの取り組み③
BtoBとBtoCの違いとBtoBアポ取り実践例

コールセンターでインバウンドからアウトバウンドへのオペレーション・スタッフの配置転換は、その業務内容の違いからなかなかうまくいきません。また、同じアウトバウンド業務でもBtoB(ビジネスtoビジネス)とBtoC(ビジネスtoカスタマー)も、求められるトーク・スキルが異なりますので、安直な取り組みはリスクを伴います。今回はこの違いから入り、次に、BtoBテレマの大変興味深い実践例を紹介いたします。

BtoB(ビジネスtoビジネス)とBtoC(ビジネスtoカスタマー)の違い
①購入者と購買動機
BtoB市場:モノとしての価値に加えて、どのような使い方をするかという顧客企業側の使用特性や、何のために使用されるのかという製品の用途に対する考慮をして企業が購入。
BtoC市場:財やサービスを気に入って個人が購入(感性に働きかける製品・サービスが好まれる)。

②購入動機は「合理性か、感情か」
BtoB市場:顧客企業の意思決定に関連する理性や、製品・サービスの合理性(機能性)に重点が置かれる(企業が製品・サービス、そしてブランドの知名度などを総合的に評価して選ぶのが普通)。
BtoC市場:一般消費者の嗜好をはじめとする感情的な購買動機に重点が置かれる(顧客の感性やライフスタイル、価値観に訴えて共感を得る)。(※1)

●上記からBtoBのアウトバウンドでは、理性(どちらかといえば左脳)への訴えかけ(相手を納得させるだけの商品知識、相手先企業にとってのメリット、そして競合他社との品質・サービス比較など)が、BtoCでは、感性(どちらかといえば右脳)への訴えかけ(決定権者と話すことが多く、発信者第一印象を良くするトークスキルなど)が、ポイントとなりそうです。

ワークライフバランスのパイオニア・小室淑恵さんのアウトバウンド体験記
最近、とみにマスコミの露出度の高い小室淑恵さん(ワーク・ライフバランス代表取締役)は、学生時代にインターネットを勉強するために社長とSE2人のITベンチャー企業にインターンした経験がありました。ここでの、生まれてはじめてのアポ取り経験がご著書(※2)に書かれています。アウトバウンドで成果を上げるための秘訣満載ですので、以下に紹介いたします。

インターネット勉強目的のインターン先で、最初の仕事は〝アポ取り〟だった
「これは私の仕事じゃない」と思いつつ営業のアポ取りをはじめた。実際にやってみるとこれが難しい。売っていたサービスは大きな宴会場を持つホテルに、Webで見積もりと予約がとれるシステムの売り込み。
電話帳を片っ端からホテルに電話。横の社長は同じようなセールストークでどんどんアポを取るが、自分は全く取れない。社長は別に話し方がうまいわけではないが、相手の話に相槌を打っているうちにちゃんと面談の予約を取り付ける。

スクリプトは同じでも、社長と小室さんのアポ取り成果には天と地の差が!
「私と社長の営業トーク、何が違うんだろう?」
目の前の仕事をバカにしている場合ではなく、「この仕事でまずは実績を上げないと!」と気持ちを切り替えた。それからは、電話するたびに、うまくいっても失敗しても、その理由を考えながら自分なりに工夫していった。

商品理解が不可欠に気づき劇的変化! わずか一月で、社内のアポ取り名人に
しばらくして気がついたのは、売っているサービスの内容理解がまったく足りていなかったこと。この商品はどう素晴らしいのか、自分が実感してないものは電話の向こう側の相手にもそれが通じるのか、興味を持ってもらえない。そこで商品の内容を徹底的に理解できるまで、社内のSEさんを質問責めにして知識を増やした。

「こんなすごいものを、この小さなベンチャー企業が作っているなんてすごい!」
心から商品の素晴らしさを感動しながら電話すると、やはり相手も興味を持って聞いてくれる。また、同じ説明をしているつもりでも、話の順番や力点の置き方、相手との間合いの取り方を少し変えるだけで、反応が変わることに気付き、注意深く相手の反応を聞き逃さないようにしながら話した。
すると徐々にアポが取れるようになり、1カ月もすると社内で「アポ取り名人」と呼ばれるくらいになった。

●さすがに、その後ビジネスの世界で大成される方は、その取り組み姿勢が違いますね。小室さんは、アポ取りで成果を出し、社長から営業を学び、その夏一人で100社以上に営業訪問し、90%近い成約を達成したそうです。そして、インターン9カ月目には、念願の女性サイトの企画の仕事もさせてもらえるようになったとのこと。

※1:『B2Bマーケティング』(パチェンティ・J・チェザレ著/ダイヤモンド社)
※2:『キャリアも恋も手に入れる』(小室淑恵著/ダイヤモンド社)

■本ブログ内容とは別に、お問い合わせ・ご質問等ございましたら、【プロフィール】(画面左顔写真下)の〈メール送信〉からお願いいたします。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年11月12日 (土)

山本志のぶ「木の葉」ブログ
コールセンター応援歌
第68回  アウトバウンドへの取り組み②
アウトバウンドの種類

10年ほど前に出版された『はじめてのテレマーケティング』(※1)に、都市銀行をモデルとした「テレマーケティング15のパターン」があります。銀行のコールセンターから「見込客」「新規客」「継続客」「固定客」対してなされる各種のアプローチが体系的にまとめられています。銀行は私たちにとってきわめて身近な存在であり、アウトバウンド業務を理解する上では恰好の素材といえるでしょう。

新規獲得型」から「案内型」まで、アウトバウンドテレマ15のパターン
その15パターンは【獲得型】【継続型】【御礼型】【案内型】【キャンペーン型】【PR型】【掘り起こし型】【調査型】【問い合わせ型】【サービス型】【商品提案型】【セールスサポート型】【組み合わせ型】【併用型】【時系列型】となります。それぞれの対象商品を付記し、関連エピソードを加えながら順番に紹介してまいります。

①【獲得型】対象商品orサービス:給料振込・賞与振込・公共料金・年金受給窓口
②【継続型】対象商品orサービス:定期預金満期通知
③【御礼型】対象商品orサービス:新規口座・年金受給口座・他多数
④【案内型】対象商品orサービス:年金相談会・貸金庫・イベント・クラブ・新設店
⑤【キャンペーン型】対象商品orサービス:ボーナス・無担保ローン

DMとフォローテレマのメディアミックスは単発より10倍も効果的!
【獲得型】エピソード:オクラホマ州タルサにあるソフトウェア会社では、電話の前に、あらかじめセールスレター(DM)を送っておくと、いきなり電話するよりも10倍も効果があり、この方式で売り上げが9倍になったとのこと(※2)。

【継続型】エピソード:米国のマーケティグの世界では、新規顧客の開拓には既存顧客を継続するのに比べ5~10倍コストがかかるといわれているようです。電話1本で、満期の預金が継続されるのであれれば、アウトのコストは十分ペイしそうです。

⑥【PR型】対象商品orサービス:財務サロン・相談窓口新設・美術館新設・その他
⑦【掘り起こし型】対象商品orサービス:カード未使用層・睡眠口座
⑧【調査型】対象商品orサービス:意志確認・本人確認・アンケート
⑨【問い合わせ型】対象商品orサービス:情報不備・コールバック
⑩【サービス型】対象商品orサービス:情報提供・資料提

【掘り起こし型】エピソード:継続率を高めることは、あらゆるビジネスで経営効率を高めますが、その中でもカードは特別のようです。ある米国のクレジット会社は、業界での平均的なクレジットカードの非継続率10%を5%に改善したところ、同社の利益は16倍に伸びるという驚くべき成果をあげたとのこと。(※3)

サービス型】エピソード:下記①~⑤のケースではアポを取りが特に有効なようです。都市銀行はエリア集約型でもあり、正にこの事例に相当しますね。(※4)
①会社に知名度があり、お客様になるターゲットが広い
②冊子プレゼントや無料相談などの特典がある
③会えば成約できるくらい営業力が強い
④近くに得意先があるので定期訪問が可能
⑤面談データを収集するだけでも見込み客として育てられるシステムがある

⑪【商品提案型】対象商品orサービス:商品提案・切換提案
⑫【セールスサポート型】対象商品orサービス:営業店渉外支援
⑬【組み合わせ型】対象商品orサービス:商品同士の組み合わせ
⑭【併用型】対象商品orサービス:DMと併用
⑮【時系列型】対象商品orサービス:提案時期とタイミング

クロスセル(関連商品併売)/アップセル(上位品への買換え)で大幅収益改善
【商品提案型】エピソード:米国のクレジットカード業界大手CAP ITAL ONEが3300万人の顧客への金融商品のクロスセル/アップセルを目的としたアウトバウンドを最適化モデル(マーケティング諸要因を独自に組み合わせる)に基づき実施したところ、同社は実施前に比べ顧客のLTV(顧客生涯価値)を実に11%改善し、驚異的な収益貢献を果たしたそうです。(※5)

●以上、都市銀行のアウトバウンドと、実際のアウトバウンド業務の成功事例をエピソードとして紹介しました(金融業にはこのほかに債権回収目的の督促業務がある)が、さすがにカバー領域が広く、ほぼ他業種の業務内容も網羅していると思います。
さて、次回から2回はアウトバウンドテレマにおける、BtoB(法人対象)とBtoC(個人対象)の違いについて私なりの見解を述べたいと思います。

※1:『はじめてのテレマーケティング』(鈴木伊佐男著/近代セールス社)
※2:『ハイパワー・マーケティング』(J・エイブラハム著/インデックス・Com)
※3:『エモーショナル・バリュー』(J・バーロウ&D・モール著/生産性出版)
※4:『電話嫌いな人ほど成功するテレアポ』(尾島弘一著/現代書林)
※5:『アウトバウンドの本』(トランスコスモス編/リックテレコム)

■本ブログ内容とは別に、お問い合わせ・ご質問等ございましたら、【プロフィール】(画面左顔写真下)の〈メール送信〉からお願いいたします。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年11月 5日 (土)

山本志のぶ「木の葉」ブログ
コールセンター応援歌
第67回 アウトバウンドへの取り組み①
アウトバウンドとは

本ブログは、「コールセンター応援歌」と「研修シリーズ」の2部構成となっておりますが、「コールセンター応援歌」で〝アウトバウンド(発信)〟を取り上げて欲しいとの声が2週間ほど前にありました。そこで、早速ご要望に応え、コールセンターで行うアウトバウンドについて、私なりに工夫したものを書いてみようと思います。

アウトバウンドは、その取扱商品(製品)やサービス内容によってトークが大きく異なり、また、BtoB(ビジネスtoビジネス)とBtoC(ビジネスtoカスタマー)によってもその対応が異なります。こうした背景から、なかなか一般論では通じないとの思いがあり(私の実力不足もありますが…)、これまで掲載を見合わせてきたところがございます。本シリーズの1回目は、まずこの辺りから入ります。

インバウンド(受信業務)と、アウトバウンド(発信業務)の違い
研修シリーズ第76回に「なでしこジャパンに学ぶコーチング」で、澤穂希さんの前のキャプテンだった池田浩美(旧姓磯崎)さんが佐々木則夫監督に対して行ったアドバイス的コーチング「監督、ケガで合宿をリタイアする選手を見送らなきゃだめですよ」についてに触れましたが、彼女の書いた『荒地に花が咲く』の中に、インとアウトの違いを理解する上で、助けとなる恰好の文章がありました。

「小さなミスが命取りのDF」と「1本決めれば10のミスが帳消しのFW 」
「小さなミスが命取りになるポジション、それがDF(ディフェンダー)です。
FW(フォワード)は10本シュートを打って、1本でもゴールを決めれば褒められます。しかし、DFの場合は10本のシュートを跳ね返しても、1本決められればボロくそに言われる、割に合わないポジションです。」

●研修でもこのフレーズをよく使うのですが、ミスをしたら〝クレーム〟になったり、〝お客様を失う〟リスクを伴うのがインバウンド。ミスが許されないという点で、サッカーにたとえるならのDFに該当するでしょう。これとは別に、100件電話して数件アポが取れればOK的なアウトバンドは、10本のうち1本シュートが決まれば〝よくやった〟といわれるFWに似ているのではないでしょうか。

〝アウトバウンド〟と〝インバウンド〟は、似て非なるもの
ある本の中に「インバウンドのコールセンターというのは、消費者からかかってくる電話に応えるのが仕事である。一方テレ・セールスやテレ・マーケティングのように、こちらから相手に電話をかけるのがアウトバウンドで、一般にマニュアル通り話せばいいアウトバウンドより、さまざまな質問に答えなければならないインバウンドのほうが、従業員に要求されるレベルは高いといわれている。(※1)」とありましたが、私は、この二つは〝似て非なるもの〟で、その難易度は比較できないと思います。

コールセンタースタッフに澤穂希選手のような〝両刀遣い〟はあまりいない
澤選手は代表選手としての得点(ゴール)が、あの伝説といわれた釜本邦茂さんをW杯で抜いたように、もともとは攻撃的な選手だったそうですが、佐々木監督の判断で北京オリンピックのころからDFに転向したそうです。彼女の豊富な運動量と的確な戦況判断がW杯優勝に導いたことは記憶に新しいところです。

しかし、多くのコールセンターを見渡しても(60%位のセンターがインバウンドとアウトバウンドの両方を手がけている)、澤選手のようなどちらにも傑出した存在は、ほとんど見当たりません。それは、サッカーのDFとFWのように役割が異なり、適性として求められる資質に大きな違いがあるからなのでしょう。

電話活用では〝インバウンド〟より〝アウトバウンド〟の方が歴史が古い
テレアポ電話営業というビジネスモデルは、電話が普及し始めた1960年代、広大な国土を持つアメリカで生まれました。きっかけとなったのは百科辞典の訪問販売だそうで、ずっしりと重い百科辞典を持ち運んで売り歩いていた営業マンが、「何かいい方法はないか?」と考えた結果、前もって電話でお客様に興味があるかどうか確認してから、実際に商品を見てもらおうという営業スタイルを確立させました。日本に電話営業というビジネスモデルが導入され始めたのは、1970年代初頭ビジネスマン向けの自己啓発教材からだそうです。(※3)

1962年、フォードは大々的に〝アウトバウンド〟をキャンペーンに使った
このキャンペーンでは2000万人に対し調査形式の電話のアプローチがなされました。その結果、18万7千件が6ヶ月以内の有力見込み客であることが判明しました。有力情報が販売店に即刻報告されたため、電話した当日の契約も444台ありました。販売実績は9日後には7773台に達したそうです。このキャンペーによる販売コストは1台当たり65ドル(当時)で、他の拡販計画のコストよりはるかに低く、その後のテレマーケティング時代の幕を開くきっかけとなりました。(※4)

※1:『スローキャリア』(高橋俊介著/PHP研究所)
※2:『B2Bマーケティング』(パチェンティ・J・チェザレ著/ダイヤモンド社)
※3:『テレアポの鉄則!』(北原千園実著/アスペクト)
※4:『テレフォン・マーケティング』(マリイ・ローマン著/ダイヤモンド社)

■本ブログ内容とは別に、お問い合わせ・ご質問等ございましたら、【プロフィール】(画面左顔写真下)の〈メール送信〉からお願いいたします。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2010年1月30日 (土)

山本志のぶ「木の葉」ブログ
第57回 ■メディア情報ピックアップ/『日経情報ストラテジー』より

「クレーム応対研修」で、受電者がつらい思いばかりではモチベーションが維持できませんので、VOC(ボイス・オブ・カスタマー=顧客の声)が新製品の開発に役立つ事例をテキストに織り込もうと、材料をWebで検索していた折、この記事と出会いました。少し古いですが、前回の第一生命の類似事例ですのでご紹介いたします。

サントリー「VOC(ボイス・オブ・カスタマー=顧客の声)」活動と
社員の1日電話体験実習「お客様視点体感プログラム」

「サントリーが社員に『お客様第一』を徹底するための『VOC(ボイス・オブ・カスタマー=顧客の声)』活動を強化している。主幹部門のお客様コミュニケーション部が中心になって展開しているのが、社内における『お客様視点プロジェクト』。このプロジェクトは、サントリーの主要拠点や研究所などの社員を対象とした社内研修『お客様視点気づき講座』と、顧客からの問い合わせやクレームの電話を受けるコールセンターであるお客様センターでの1日体験実習『お客様視点体感プログラム』の大きく2つから構成されている。」

VOC活動の合言葉は「100-1=0」
「お客様視点気づき講座での合言葉は『100-1=0』であり、これは『たった1人の社員の間違った行動でサントリー全体(100)が否定され、これまで築き上げてきた顧客からの信頼が一瞬にしてゼロになり得る』(亀田敦・お客様コミュニケーション部マーケティングサポートセンター課長)ことを意味している。」

電話応対の体験実習に希望者が殺到
「こうしたお客様視点気づき講座の開催は、サントリー社員の顧客に対する意識を大きく変え始めているようだ。その証拠に、お客様コミュニケーション部が一般社員向けに実施しているお客様センターでの電話応対体験であるお客様視点体感プログラムへの参加希望者が、ここにきて急増している。2005年に部課長を対象に始まったこの体験プログラムを、お客様コミュニケーション部は2006年から一般社員にも解放しているが、昨年は募集定員と同数ほどの参加希望者しか表れなかった。だが2007年は、社内で『キャンセル待ち』が出るほど関心が高まっているという。これまでに合計で約60人がプログラムを体験済みだ。」

1日400件(年間12万件)、そのうちの約15%がクレーム
「サントリーのお客様センターにかかってくる電話の件数は1日に400件(年間12万件)ほどで、『そのうちの約15%がクレームなどの当社へのご指摘だ』(亀田課長)。残りの85%は『どこで商品が買えるのか?』といった問い合わせである。プログラム体験者が電話に出る場合、確率的に言えば、10本のうち1~2本は顧客からのクレームであることも考えられるが、そうした電話であっても顧客と受話器越しに直接向き合うことで、『お客様の心を知ってもらう』(同)。」

「やってみてよかった」との意見が大勢
「一般社員にとって、顧客からの電話に出ることは勇気のいることでもあるが、自ら志願した社員たちの体験後のアンケートでは『やってみてよかった』との意見が大勢を占めているという。亀田課長によれば、『体験者はお客様コミュニケーション部が社内で定期的に発信しているVOCのレポートの読み込みが深くなる』という印象を受けているという。」

サントリーでは、この「VOC(ボイス・オブ・カスタマー=顧客の声)」活動から、2007年には、中国産の食材に対する顧客の不信感を読み取り、お客様コミュニケーション部が素早く反応して、「サントリーの烏龍茶が安全であることをホームページに明記した」などの成果をあげているとのこと。

コール(コンタクト・カスタマー)センターに寄せられたお客様の声から新製品を開発した例には、古くは花王の「アタック」があり、最近の例では、資生堂の「TUBAKI」のコンディショナーのキャップ(以前は丸みを帯びていたが、「中が減ると、出しにくくなる」との声を受けてキャップの上部が平らにされ、容器を逆さに立てておけるようにした)や、小林製薬のトイレ用芳香消臭剤「ブルーレットおくだけ」(「詰め替え時に手が汚れる」というクレームに応じて客様相談センターが改良を提案し、手を汚さずに薬剤を詰め替えられるカップ容器型に結びつけた)。また、同社の「のどぬ~る ぬれマスク」や「ケシミンクリーム」などの新製品も相談室が生み出したヒット商品とのこと。こうした、コールセンターが新製品開発に貢献した事例については、別の機会にまた触れてみたいと思います。

| | コメント (6) | トラックバック (0)

2010年1月23日 (土)

山本志のぶ「木の葉」ブログ
第56回 ■メディア情報ピックアップ/『日本経済新聞』より

今回は、「電話応対技術編」プロとして、ハートで語る(2)を書く予定でしたが、1月18日の『日本経済新聞』に保険会社として初めて株式会社化して話題を呼んだ「第一生命」のコールセンターの記事が出ておりましたので、これを取り上げ、次回はWeb 上から拾った「サントリー」の同様事例を紹介します。

第一生命/年800人、他の職場で研修
「第一生命は2006年、内勤の女性職員を対象にした社内トレーニー制度を導入した。転勤機会のない内勤の女性職員は6000人、彼女たちに他の職場を経験させ、視野を広げてもらう狙いだ。制度導入から4年目の今年は入社5年以内に同制度を受けることを義務化する〝職場大移動〟の効果を検証した。」

内勤の女性、視野を広く
「社内トレーニー制度は、希望者が年に1回、行きたい部署に1週間から1カ月移動して勤務する。対象部署は当初50部署でスタートしたが、現在は管理部門から営業部門までほぼ全部署への移動が可能になっている。神奈川県大井町にある本社契約サービス部収納保全課に所属する○○△△△さん(26)は昨年6月トレーニー制度に応募。東京コールセンター(北区田端)で1週間電話オペレーターとして勤務した。『お客様とじかに接する場所で生の声を聞きたかった』(○○さん)のがコールセンターを選んだ理由だ。」

第一生命の東京コールセンター
「東京コールセンターは、同社の全国820万人の契約者のうち名古屋以東の契約者からの問い合わせを受け付ける。2フロアに150名のオペレーターが配置され、1日3000~4000件の電話に応対する。○○さんの場合、最初の2日間は座学。3日目から実際に電話を取った。解約、契約内容の変更、住所変更、控除証明の問い合わせなど、顧客からの問い合わせは様々。」

お客様に近いコールセンター人気
「トレーニー制を導入するときに、最も心配したのは受け入れ側の負担だ。人気の東京コールセンターは、昨年4月以降100人以上を受け入れた。毎週24人を受け入れている計算だ。業務に支障はないのか。□□△△コールセンター統括部長は『受け入れのリスクより効果の方が格段に高い』と断言する。顧客の声にじかに触れると、内勤部門の職員の意識が大きく変わる。欧米の生保ではコールセンターに幹部候補生を配置する試みも進んでいるという。」

以上、ポイント部分だけ抽出して転記いたしました。コールセンターに人気があるというのが、何にも増して嬉しいですね。ここで取り上げられた○○さんが「元の職場に戻ってからも、生身のお客様の声を感じながら仕事ができるようになった」と語っていらっしゃいますが、お客様の声(VOC:ボイス・オブ・カスタマー)を新製品のヒントにするコールセンターも最近は増えています。次回は、「サントリー」の1日電話体験と、もう一つのコールセンターの役割について書きます。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年1月 9日 (土)

山本志のぶ「木の葉」ブログ
第54回 「コールセンター事情」検定制度導入の功罪

コール(コンタクト・カスタマー)センターは大別すると、お客さま(企業)からのアウトソーシング業務を中心に行うテレマーケティング会社が運営するコール(コンタクト)センターと、自社の製品・サービスに対するサポート業務を行うカスタマーセンターとに分かれます。

センター業務の最大の課題は品質の確保であり、運営上の課題は定着率ということになるでしょう。この二つの課題は、別なテーマのようで、実はスタッフの評価基準が確立されていないことから派生する、根は一つの問題なのだと私は思います。そうした点を踏まえ、もし検定が多くのセンターで採用されるようになったときの功罪を、コール(コンタクト・カスタマー)センターの教育を担当する立場から考えてみました。

検定の功罪①“お局様”的な存在は駆逐される!?
それぞれのセンターには、いろいろな意味で“お局様”的な存在の方がいらっしゃいます。この方たちが、うまく後輩をリードして下さることもあれば、マニュアルに盛り込めない、業務知識の伝道者として機能してくれているケースも多いように思います。ただし、これはプラスの面ですが、若いSV(スーパーバイザー)にとっては、組織を運営する上で、扱いにくい存在に映っていることも確かでしょう。

検定の導入は、こうしたベテランスタッフにとっては重荷になることが考えられ、退場を余儀なくされるかもしれません。また、お局様的な存在に振り回されてきた感のあるSVを含めた管理層が、排除の論理の手段として、限られた期間内での資格取得を至上命題として掲げることもあり得ます。大手のテレマーケティング会社やITに特化したセンターではそれほど心配はないと思いますが、中小規模のテレマーケティング会社もしくは、企業内のカスタマーセンターでは、導入のメリットと同時に、こうした弊害も顕在化するかもしれません。

検定の功罪②意欲ある人には活躍の場が広がる
大学生の就職対策の研修を担当させていただく折に、業務としてのコールセンター勤務や、就職先としてのテレマーケティング業界のことを尋ねられることがあります。これまでは、企業内のカスタマーセンターも多様であり、テレマーケティング会社も企業の生成の過程により運営方針が異なるケースがありますので、一般論でしか語ることができませんでした。

しかし、今後、検定がスタンダード化していくと、検定に対する取り組み姿勢で、そのセンターなり、企業の姿勢を判断できるので、具体的なアドバイスをしてあげられるように思います。経験のあるスタッフにとっては重荷になるかもしれない検定は、(導入企業を選択すれば)業種や職種として将来を展望するときに、努力が資格という明確な形になって反映されることになるので、意欲的な学生の皆さんには安心して薦められるようになるでしょう。

検定の功罪③健全なビジネスへの第一歩
厳しい経済環境の中で、多くのテレマーケティング業務がコストセンターかプロフィットセンターかの判断を迫られ、センター運営者がそのはざまで苦吟する状況が続いているようです。業務効率を高めるためにも、CS向上のためにもインフラの整備を怠ることができない現在のコール(コンタクト・カスタマー)センターはインフラへの投資が不可欠であり、ある意味では、工場的な存在といえると思います。

工場だとすると、設備投資分の回収のために稼働率が経営サイドの最大の関心事になって当然です。そのことが、テレマーケティグの世界に、安価でも仕事請ける受注優先体質を生みだしました。沖縄を代表とする遠隔地の各種優遇措置に応じてセンターを開設に走ったり、言語障壁の低い海外に進出したのは、この要因と無関係ではありません。しかし、その片方で、「品質」というかけがいのない代償を払ったことも事実でしょう。

システム開発のように、過当競争になっても、要件を満たす資格保持者のコストを一定額計上できる構造がなければ、“安かろう、よかろう”精神を、「品質」を盾に押し返すことは至難の業です。そうした、危機的な状況の中に、国家レベルの検定制度が立ち上がると、価格破壊により秩序を乱しかけたテレマーケティング業界も、本来の姿が取り戻せるのではないでしょうか。

新春2回目も多少力が入ってしまったでしょうか。本ブログ本来のテクニカル部分を抜きにして、理屈が優先してしまいましたが、私が言いたかった最大のポイントは、これからのセンター業務は、検定に代表されるように、本当のプロが活躍する場に変わっていくだろうということでした。次回からは、テレマーケティングの“プロとは”を主題に、私自身の信念でもある“ハートで語りかける”を絡ませて、これまで勉強してきたことをご披露したいと思っています。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年1月 2日 (土)

山本志のぶ「木の葉」ブログ
第53回 「コールセンター事情」2010年に変化の兆し

明けましておめでとうございます。本年も、「木の葉」ブログをよろしくお願いいたします。さて、年明け早々難しいテーマになりますが、「コールセンター事情」2010年に変化の兆し――です。これを取り上げるきっかけは、昨年12月17日『日本経済新聞』朝刊に以下の記事(全文転記)が掲載されたからです。

小さな記事なので、見逃した方が多いかもしれませんが、コール(コンタクト・カスタマー)センターでお仕事をする人たちにとっては、近い将来、とても重要な意味を持ってくるかもしれません。そして、これからコールセンター業務に関心を持ち、就活の対象としてこの分野を検討する学生の皆さんにとっては、是非とも知っておいていただきたいと思い、新春のテーマといたしました。

NTTコムなど、コールセンター職員に初の資格制度
NTTコミュニケーションズなど13社は、コールセンター職員の初の資格制度を創設する。このほど準備組織を発足。経済産業省の支援も得る。顧客応答業務に必要な知識を体系化し、職員の能力を客観的に把握できるようにする。制度に従って人材を適切に評価、サービス品質の向上や離職率の低下につなげる。

準備組織はNTTコムのほか、ソフトバンクBB、日興コーディアル証券、ソニーカスタマーサービス(東京・大田)、日立電子サービス(東京・港)など、顧客応答の大口需要家企業を中心に構成。コールセンター運営受託会社の参加も今後募る。

来年(2010年:山本注記)3月をメドに制度の運営団体「日本コンタクトセンター教育検定協会」(仮称)を設立し、資格制度の枠組みを整える。応答員や管理者などの職種ごとに4段階の資格を設定。関連法規の内容など業務上の知識について、6月以降に試験を実施する方針だ。

2008年10月で終了した「JTAテレコミュニケーター検定」
上記の『日本経済新聞』の記事に関連して、同様の資格制度が一年前まであったことを簡単に紹介します。JTAは日本テレマーケティング協会の略称ですが、2003年10月にテレマーケテレマーケティング事業に従事している方々の自己研鑽のためのツールとしてスタートした同検定が、2008年の10月で終了しました。

同協会の終了に関するコメントは「この5年間でコンタクトセンターを取り巻く環境の著しい変化並びにそこで働くテレコミュニケーター個々人のスキルも格段に向上したこともあり、『JTA テレコミュニケーター検定』の当初の目的であるテレコミュニケーターの登竜門としての役割を終えたものと判断しております。」でした。

経済産業省によるカスタマーサービスのスキル標準
先の『日本経済新聞』の記事に「経済産業省の支援も得る」とありました。ご存知の方もいらっしゃると思いますが、経済産業省は2002年12月に「ITスキル標準―ITサービス・プロフェッショナル育成の基盤構築に向けて―」と題するITスキル・スタンダード協議会報告書を発表しています。下記アドレスで参照可。興味のある方はご覧ください。
http://www.meti.go.jp/report/downloadfiles/g21226b01j.pdf
(1)マーケティング、(2)セールス、(3)コンサルタント・・・と続き、(10) オペレーション の中に〈カスタマーサポート〉が取り上げられています。同じく、下記アドレスで参照可。
http://www.meti.go.jp/report/downloadfiles/g21226b11j.pdf

経済産業省の「ITスキル標準」制定の考え方
以下に同省の「ITスキル」制定の考え方を、協議会報告書から抜粋します。
「1990年代以降、IT用途の多様化により、顧客の業務内容を理解することはもちろん、業務プロセスの改革そのものに踏み込んだ提案ができるスキルが必要になり、また、IT技術の多様化・深化により、技術ごとの専門化が進展し、インターネットの普及によるオープン化の進展がこれに拍車をかけるにいたった。

このように、マーケットで求められるスキルが多様化・深化し、これを担う人材も多様化する中で、戦略的な人材育成・スキル開発を行う際に利用できる客観的な指標を整備することの重要性が増大している。これは、一義的には、顧客への情報サービスを行っている各企業の課題であるが、企業に対する人材供給を行っている大学・各種学校等の教育機関及びITサービス業に従事する各個人にとっても重要な意義を有する。

したがって、このような指標の作成は、各企業や教育機関が独自に行うことも可能ではあるが、基本的な部分については、政府がパブリック・ドメインとして整備し、提供していくいことにより、ITサービス・プロフェッショナルの育成にかかわる諸組織の有機的な連携が可能となり、ひいては我が国において提供されるITサービスの質の向上につながるものと考えられる。」

少々長くなりましたが、ここで語られていることと、JTAが「テレコミュニケーター検定」を中止した背景とはほとんど重なります。こうした情報を総合的に判断すると、今回の『日本経済新聞』の記事にある13社の試みは、次第に当該業務に携わる人々の支持を得て、そう遠くない時期に、カスタマーセンター(コールセンターの位置づけにあるセンター全体共通)のスタンダード・スキルとして定着するかもしれません。次回は、もしこの仮説が実現の運びとなり、コール(コンタクト・カスタマー)センターに検定が導入された場合の功罪について考えてみます。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年3月 8日 (日)

第10回「コールセンター就業心得」あいさつ編

今回はあいさつについて書きます。人は何故“あいさつ”をするのでしょうか。朝は「おはようございます」退社時は「お疲れ様でした」お客さまには「いらしゃいませ」「ありがとうございました」と。何故?って、そんな面倒くさいと思われるかもしれませんが、今回はそんなコーナーです(笑)

個人によって違いがある“あいさつ”の理由
皆さん、当たり前ですが、いつもあいさつをされていると思います。何故って…人によって理由はさまざまあるでしょう。「しないといけないから」「すると気持ちいいから」「自分の存在を知ってもらうため」「コミュニケーションをとるため」といった回答が一般的のようです。

“あいさつ”の効用を再認識しておきましょう
上記4つの理由のうち「しないといけないから」は受け身で感心いたしませんが、しないよりはましです。職場の潤滑油ともいうべきコミュニケーションの“あいさつ”は原点です。私の経験では“あいさつ”が励行されていない職場はモラルが低く、サービスレベルにも問題があり、定着率も悪いようです。

ディズニーランドに行くと、どうして楽しいのでしょうか
ディズニー・ワールドのゲスト(お客様)・サービスのガイドラインには 『それぞれのエリア特有のやり方で、出会うゲストひとりひとりに正しくあいさつをすること[おはようございます・こんにちは・こんばんは/ようこそ・いらっしゃいませ/何かお困りですか?]』と2番目の項目に書かれています。

どんな場合でも人の心をなごませる“あいさつ”
人気アトラクションでは常に順番待ちの長い列を体験しながら、ディズニーランドに何度も足を運ぶ人が多い理由の一つに、「あいさつを原点とした洗練されたサービス精神が心地よいから」もあげられるでしょう。遊びの場とコールセンターは違いますが、“あいさつ”の効用には共通点があるのでは…。

良い“あいさつ”とは
あ・・・・あかるく
い・・・・いつでも
さ・・・・さきに
つ・・・・つづけましょう

明るく、いつでも、先に、続けましょう!
人の印象は表情やしぐさ等55%、声の大きさやトーン38%、だから明るく!
今日は疲れているから、あの人は好き(嫌い)だから、ではなく、いつでも!
言われたからするのではなく、上下関係にかかわらず、どんな場合も先に!
「継続は力なり」と言います。明るく、いつでも、先に、の心で続けましょう! 

嬉しかった雨の日の出来事
まだ会社勤めをしていた頃のことです。毎日“あいさつ”をしても、無愛想で反応がないオフィスビルの警備員の方(ビルエントランス・コーナー部分にて勤務)が、約半年後ぐらいだったでしょうか、雨が急に降り出した日の帰りに「傘ありますよ、持っていきますか」と。こんな嬉しい経験がありました。

最後に繰り返しますが、“あいさつ”の効果は大!です。対面でも、電話でも自分から発信して、気持ちの良い日々を過ごすようにしましょう。特に朝の明るい「おはようございます」のひと言は、間違いなくその日を素敵なものにしてくれることでしょう。次回はコミュニケーションについて書きます。

| | コメント (2) | トラックバック (0)